英語リスニングの勉強法:聞き取れるようになった人が、実際にやっていた練習と時間

英語が聞き取れない理由は、だいたい 2 つに絞られます。音がつながったり、弱くなったり、消えたりする部分を聞き分けられないことと、そもそも英語を聞く量が足りていないこと。前者には精聴、後者には多聴が効きますが、どちらか片方だけで伸びたという人はあまり見かけません。

「リスニングのコツ」はいくらでも見つかりますが、何を、1 日何分、どのくらいの期間やったかまで具体的に書いている人はそう多くありません。ここでは、学習者が SNS に残していた練習の記録を、数字も含めてそのまま紹介します。

速い英語を聞き取るための 3 つの柱

速い英語を聞き取れるようになるまでに何をどれくらいやるか、ある日本の学習者はかなり具体的な分量で書いていました。

練習 やり方と量
シャドーイング TED やニュース、インタビューなど生の音声を 30 秒〜1 分。1 日 30 分以上、同じ箇所を 3 日以上かけて正確に言えるようになるまで。原音より半拍遅れて追う
単語 英検 1 級の単語を覚える
多聴 1 日 20 分以上。6〜7 割わかる素材を選び、聞いたあとに要点を 3 つ紙に書き出す
期間 半年から 1 年

いきなりシャドーイングをしない

留学経験がないまま独学で TOEIC 965 点を取ったという講師は、シャドーイングを一番最後のステップに置いていました。

  1. 精読: 文法の構造と単語の意味を 100% 理解する。
  2. リピーティング: 1 文ずつ音声を止めて、お手本どおりに発音する。
  3. オーバーラッピング: スクリプトを見ながら、音声とまったく同じ速さで重ねて読む。
  4. シャドーイング: スクリプトを見ずに、音声から 1〜2 語遅れてついていき、頭の中で場面と意味を思い浮かべる。

1 日 15 分、毎日声に出して音読を続けます。意味のわからない英語は、何回声に出してもただの雑音にしかならない、というのがこの人の考え方です。

ディクテーション 1 か月で IELTS リスニング 8.0

中国の学習者が、10 年前に IELTS の対策でディクテーションのアプリを 1 か月使い込んだときのことを書いていました。それまでは、1 文のうち 6 割は聞き取れても残り 4 割がぼやけていたそうですが、その曖昧だった部分がはっきり聞こえるようになり、本番のリスニングで 8.0 を取ったといいます。

やり方はシンプルで、1 つの音源を何度も聞き返して書き取り、原文と突き合わせて、ほぼ完璧に一致するまで直すというもの。音のつながりや弱形、脱落、有声化に耳が向きやすくなるうえ、スペルも身につき、正確に書き取るために時制や冠詞、前置詞にも自然と気をつけるようになると書いています。ただ、時間はかなりかかります。5 分の音源に最低 30 分、試験前は毎日 1〜2 時間。最初は聞き取れなくて当たり前で、「泣きたくなっているのはあなただけじゃない」とも添えていました。

字幕なしの通勤を 1 年

別の学習者は、1 年間、毎日の通勤時間のほとんどを使って、英語の YouTube やポッドキャストを母語の字幕も解説もなしで聞いていました。特に面白いと思った番組は何度も聞き返し、ときどき等速か 0.75 倍速にして、字幕を見ずに聞こえた音をそのままシャドーイングしたそうです。

途中で一度、英語の字幕を見ながらシャドーイングしてみたところ、字幕なしならついていけていた内容に、逆についていけなくなったといいます。目を使うと耳が勝手に閉じてしまう、と本人は振り返っていました。1 年後、自分の音読を録音してスマホの音声入力にかけてみたら、90% 近くが正しく文字起こしされたそうです。今は毎日英語で動画を見たりポッドキャストを聞いたり、AI と話したりしていて、単語を調べなくても大筋はつかめるとのことです。

普段は浴びて、ときどき精聴で「レベルアップ」

留学したてのころ、クラスのなかで英語が下から数えたほうが早かったという人は、空き時間があれば英語のポッドキャストや動画、ドラマを流しっぱなしにして、全部理解しようとはしませんでした。その代わり、定期的に字幕付きの素材を 1 つ選んでじっくり精聴し、今の自分がどこまで聞き取れるかを確かめていたそうです。本人のたとえを借りると、普段の多聴は経験値稼ぎで、精聴はレベルアップのイベントのようなものだといいます。

一つの素材を、覚えるまで

就活のために TOEIC を 900 点まで上げたものの、まったく話せなかったという日本の会社員は、外資系企業に入ってから英会話、シャドーイング、ディクテーション、発音矯正を一通り試しました。そのうえで勧めていたのは、ドラマでもポッドキャストでも Audible でも YouTube でも本でもいいので、自分の仕事と重なるものを 1 つ選び、読んで、書いて、シャドーイングして、丸暗記するくらいまで繰り返すやり方です。「1 つの素材を 5 年やり込むほうが、1,000 個の素材を聞き流すよりずっと効く」と書いています。

この人は、実際の英語の会議を録音してそのまま教材にしていました。会議を丸ごとディクテーションし、話し方をまねしたい同僚の発言からシャドーイングを始め、使いたい表現はノートに書き留めて何度も口に出し、その場で言えなかったことを書き出して次の会議に備えていたそうです。

同じ雑誌を使い続けた通訳者

TOEIC 300 点台から通訳になった人は、ずっと『CNN English Express』を使い続けていました。家事や通勤の合間に飽きるまで聞き、耳が慣れてきたらシャドーイングのように声に出してみます(うまく言えなくても気にしない)。次にスクリプトをゆっくり音読して表現を確認し、覚えたい箇所は青いペンで囲み、スクリプトを目で追いながら音声を聞いて文字と音を結びつけ、最後にスクリプトを見ながらシャドーイングします。今では、初めて聞く海外ニュースでも少なくとも 8 割は理解できるそうです。

独学で気づきにくいこと

ある長文の投稿では、1 人で練習するときの盲点が指摘されていました。元の音声で聞き取れていない音は、自分の声を録音して聞き返してもやっぱり聞こえない、という点です。例として挙がっていたのは、Turn off の連結、Old man の脱落、I like him の弱形、I got it の T のはじき音など。スクリプトを見ながら練習すると、どうしても文字に引っ張られて単語を 1 つずつ区切って発音してしまい、結果として、つながった状態で発音されたときに聞き取れなくなります。

別の投稿では、伸びないシャドーイングの典型例が挙げられていました。意味を考えずにただ音を追いかける、カタカナ発音のまま、速度についていけただけで満足する、1〜2 回やっただけで次の素材に移る。これでは疲れるだけで効果はまったくない、とのことでした。

点数の目標は現実的に

2 か月の対策で初めての IELTS に臨み 7.5 を取った人は、7.5 以上は何回か受験して届くものだと書き、「1 か月で 8.5」のような無理な目標を立てないよう釘を刺していました。リスニングの復習は、まずスクリプトを見ずに聞き直し、次にスクリプトと照らし合わせ、慣れてきたらディクテーションに進む、という順番でやっていたそうです。

聞き流しが効くかどうかについては、英語の聞き流しは効果があるかにまとめています。

Solaread でできること

Solaread のウェブアプリでは、手持ちの音声ファイルや動画を取り込んだり、ポッドキャストのエピソードを検索して聞いたりできます。音声に合わせて字幕が自動で進み、行を選べばその箇所をすぐに聞き直せるので、同じ文を繰り返し聞く精聴に向いています。なじみのなさそうな単語には印がつき、カーソルを合わせると意味が表示されます。タッチ画面では単語をタップしてください。気になった単語は、出てきた文脈ごと単語帳に保存しておけます。

よくある質問

英語のリスニングは何から始めればいいですか?

学習者の記録を見ると、まず内容を理解してから音読し、リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイングの順に進めている人がいます。

リスニングの練習は 1 日どれくらい必要ですか?

シャドーイングを 1 日 30 分以上、多聴を 20 分以上、半年から 1 年続けたという記録があります。

ディクテーションは効果がありますか?

1 か月続けて IELTS のリスニングで 8.0 を取った例がありますが、5 分の音声を書き取るのに 30 分以上かかります。