英語長文読解のコツ:速く正確に読めるようになった人が、実際にやっていたこと

英語の長文が読めない理由は、突き詰めると2つしかありません。知らない単語が多すぎることと、英語の文の組み立て方に慣れていないことです。共通テストや英検、TOEIC Part 7、大学院入試から仕事の英文メールまで、根本はどれも同じです。

「速く読むコツ」はあちこちで語られていますが、読む速さが具体的にどう変わったのかを数字で残している人はあまりいません。ここでは、英語学習者がSNSに投稿していた練習法を、実際の数字をそのまま残してまとめました。

速さの目安

  • 1分間に100語、理解度8割。 日本で多読を続けている学習者が、普段のペースとして挙げていた数字です。1日30分読めば3,000語になります。
  • 1時間10ページから、3時間あまりで50ページへ。 大人になってから洋書小説を読み始めた人の記録です。最初は1時間に10ページしか進まなかったものの、1週間ほどでペースが上がり、1日に読む量を2章から3章へと増やしていきました。やり方は、1段落読み終えるまで単語を調べないこと、メモは英語だけで取ること、蛍光ペンで線を引いた箇所を翌日に読み直すことの3つです。同じ投稿のコメント欄には、知らない単語をその都度すべて調べていたら3時間で5ページしか進まなかった、という声もありました。
  • 1ページに半日から、母語より速く。 英語の論文を読み続けた人の例です。以前は1ページ読むのに半日近くかかっていたのが、3年目には母語の中国語よりも英語のほうが速く読めるようになったと書いていました。

速くなった人の練習法

毎日 2 本の速読を 3 か月

中国の大学院入試の英語で80点を取った人が、具体的な練習法をコメントに残していました。毎日TIMEなどの英語の雑誌や新聞から記事を2本選んで速読する練習を3か月続けた結果、本番では全問を解き終えても20分以上時間が余ったそうです。長い文を読むときは、色ペンで主語・述語・目的語・修飾語の区切りだけを書き込み、中国語の訳文は一切書きません。後ろからかかる長い修飾語は矢印を引いて前の語につなげます。母語に訳すのではなく、文の構造をつかむことに集中するやり方です。

同じ投稿の別のコメントには、基礎固めの段階のやり方が書かれていました。毎日、過去問から2〜3文を選び、解説を見ずに自分で文構造を分解してから答え合わせをするというもので、2週間ほどで変化が見えてくるそうです。1周目は速さを気にせず1日1本を精読します。次の段階では英語に毎日3〜4時間を割き、2周目は時間を厳密に計って解いたうえで、間違えた原因を分類します。深読みしすぎた、逆接の表現を見落とした、言い換え表現に引っかかった、といった具合にミスのクセを洗い出していきます。

長い文は 3 ステップで

IELTSの長文対策として挙げられていた、一文を分解する手順です。

  1. 主節の述語動詞(be動詞を含む)を見つけて文の骨組みをつかむ。従属節の中の動詞はいったん無視する。
  2. 修飾している部分を見つけて意味を補う。
  3. 文頭からもう一度通して読む。

構造が複雑な文で詰まったときに、AIに文法の仕組みを解説してもらうやり方もよく見かけました。半年で200万語を読んだ人は、初めて見る構文を毎日いくつか選んでAIに説明させ、それ以外の場所は立ち止まらずに読み進めていました。

設問は「2 問ずつ」先読み

IELTSのリーディングで8.5を取った人が、ありがちな解き方を時間がかかる順に3つ挙げていました。一番遅いのは本文を最後まで読んでから設問を見るやり方。次に、先にすべての設問を読んでキーワードに片っ端から印をつけるやり方は覚えておく負担が大きすぎます。また、大問を頭から順番に1つずつ片付けるやり方は、複数の大問で本文の該当箇所が重なっていることに気づけません。

この人がすすめていたのは、本文に入る前の「設問の先読み」を工夫する方法です。本文の流れに沿って答えが出てくるタイプの設問は、問題形式ごとに最初の2問だけを読んでおき、1問解けるたびに次の1問を読み足して、常に2問だけを頭に入れた状態で進めます。答えが本文の順番どおりに出てこない設問は、最初にすべて読んでキーワードに丸をつけておき、順番どおりの設問を解き終えたあとで手を付けます。選択肢が多い特殊な設問は、先読みの段階では設問文だけを確認し、選択肢は最後に照らし合わせます。もちろん、本文自体も一通りざっと目を通す必要はあると補足していました。

聞きながら読んで速くする

オーディオブックを1.7倍速や2倍速で流しながら、目で文字を追う練習法もありました。例として挙がっていた『Young Queens』という本は、等速だと18時間24分かかりますが、1.75倍速なら10時間52分、2倍速なら9時間14分で聞き終えます。朝・昼・夜に1時間ずつ、1日計3時間あてれば6日で1冊読み終わる計算です。音声なしで目だけで読むと、1冊に1週間から1か月かかることもあると書いていました。終わるまでの時間がはっきり見えるので励みになること、さまざまな発音に慣れること、他言語の人名や地名が出てきたときに読み方で詰まらないこと、そしてナレーターの息継ぎを聞くことで自分が意味の区切りを勘違いしていた箇所に気づけることが利点として挙げられていました。

訳さずに読む

論文を母語より速く読めるようになった人は、4つのことを心がけていました。まず、英語を英語のまま読み、時間がないときやどうしても意味が取れないとき以外は翻訳ツールを使わないこと。次に、読み終えた論文の内容をすぐに自分の論文や課題に使い、少なくとも著者の主張と論理の展開を頭の中で思い出すこと。そして、英文を目にした瞬間に母語へ訳そうとする反応をなくすよう練習すること。また、Macのトラックパッド設定で「調べる&データ検出」を「3本指でタップ」に割り当て、画面を切り替えずにその場で単語を調べられるようにしていました。コメント欄に「英語で考える期間が長くなると、母語で文章を組み立てる力が落ちる」という声が寄せられると、投稿者本人も「まさに私がそうです」と返していました。

黙読を減らす、指でなぞる

動画などでよく紹介されていたのは、頭の中で声を出す音読(サブボーカリゼーション)を減らすこと、意味のかたまりごとに目を動かすこと、指やペン先で文字をなぞって視線を誘導し、返り読みを防ぐことでした。ただ、頭の中の音読をなくすやり方については、紹介していた本人も賛否が分かれると認めていました。速く流し読みをするなら既知の単語が95%以上を占める文章を選ぶべきで、契約書や論文、詩などはむしろゆっくり読むほうがいいという注意点も添えられていました。

テクニックの限界

ある長文の投稿で、試験の時間が足りなくなり、本文をまったく読まずに設問と選択肢の兼ね合いだけで答えを絞って8割正解した学生の例が紹介されていました。ただ、筆者はこうした試験テクニックには否定的で、上乗せできるのはせいぜい十数点にすぎず、本当の実力不足を隠して「自分はまだ大丈夫だ」と錯覚させてしまうだけだと書いていました。

テクニックに頼るより、間違えた問題の振り返りに時間をかけるほうがずっと効果があります。IELTSの復習法をまとめていた人は、最初に選んだ解答を消しゴムで消さずに残し、正しい答えは別の色のペンで横に書き添えていました。自分が最初に何を選んだのかを残しておかないと、なぜ間違えたのかを振り返れないからです。ミスの原因は、少なくとも「設問の鍵になる単語を知らなかった」「従属節の因果関係などを逆に読んでいた」「記述問題で指定の語数を超えてしまった」の3つに分けて記録します。なお、正誤問題(True / False / Not Given)で一番多い失敗は、本文に書かれていないことを自分の常識で勝手に補ってしまうことだそうです。

Solaread でできること

普段の読書で一番の流れの妨げになるのは、知らない単語が出てくるたびに辞書を引いて手が止まることです。Solareadは約2分の語彙テストで読む人のレベルを測り、知らなそうな単語のすぐ後ろにだけ、短い日本語の訳を括弧書きで同じ行に添えます。視線を行から外さずに左から右へ読み進められるため、いちいち頭の中で訳さずに読む練習を長い本でも維持しやすくなります。読むための本や論文(EPUB・TXT・PDF)はご自身でご用意ください。

よくある質問

英語の長文を速く読むにはどんな練習がいいですか?

学習者の記録を見ると、毎日2本の記事を速読する練習を3か月続けるやり方や、オーディオブックを1.7〜2倍速で流しながら目で文字を追うやり方で読む速度が上がっています。

知らない単語は読みながら調べるべきですか?

知らない単語をすべてその場で調べると3時間で5ページしか進まなかったという記録もあり、1段落や1章を読み終えてからまとめて調べるほうがペースを落とさずに読めます。

試験の長文で時間が足りないときは?

設問を2問ずつ先読みして本文を読み進めながら並行して解き、解き終わったあとは間違えた問題を原因別に分類して振り返るのが効果的です。