英語の聞き流しは効果があるのか:効いたという人と、意味がないという人の条件

「聞き流すだけで英語が聞き取れるようになる」といった教材は、日本の学習者からは疑いの目で見られがちです。一方で、普段から英語を流し続けていたことで耳が慣れたと振り返る人もいます。両方の体験談を読んでいくと、主張は正反対に見えて、実は同じ前提条件を挙げていることがわかります。

ここでは、SNS に投稿された学習者の記録を、具体的な数字も含めてそのまま紹介します。

「聞き流しは意味がない」という側

  • 6〜7 割わかる素材でないと身につかない。 速い英語を聞き取るコツをまとめていた日本の学習者は、多聴には内容の 6〜7 割が理解できるものを選ぶべきで、意味がわからないまま聞き流しても効果はないと書いていました。聞いたあとは、内容を 3 点に絞って紙に要約するそうです。
  • BGM 代わりにするのは時間の無駄。 独学で TOEIC 965 点を取った講師は、聞き流しを「英語を BGM にして時間を無駄にする行為」と呼び、まずは精読で意味をつかんでから音読の練習に入る方法をすすめていました。
  • 漫然とした多聴は避ける。 中国の学習者が作った学習ロードマップでも、1 つの素材につき精聴とシャドーイングを 10〜20 回繰り返す一方で、「身にならない多聴はやめること」と釘を刺していました。

「まず浴びる」という側

  • 留学当初、クラスの下位からスタートしたケース。 留学したばかりのころ、英語力がクラスで下から数えたほうが早かったという人は、通勤中やシャワー、料理の時間はずっと英語のポッドキャストを流し、欧米のドラマを見て過ごしたそうです。中国のショート動画アプリを見る時間を減らし、代わりに TikTok や Instagram を見る時間を増やしました。字幕はなるべく消して、出すとしても英語字幕だけにします。入り口として見やすいドラマに 2 Broke Girls、Shameless、Stranger Things、The Big Bang Theory を挙げていますが、何より大切なのは自分が飽きずに見続けられる作品を選ぶことだと言います。もっとも、この人もただ浴びるだけでは不十分で、定期的に精聴を取り入れて段階を引き上げる必要があると書き添えていました。
  • 1 年間、車の中で字幕なしリスニング。 車通勤をしていたある学習者は、1 年にわたって英語のポッドキャストや動画を母語の字幕なしで聞き続けました。興味のある番組は何度も聞き返し、字幕を見ずにシャドーイングもしていたそうです。そうするうちに、関心のある分野でよく使われる単語が自然と頭に入っていたと振り返っています。
  • すき間時間に耳を慣らす。 パブリックドメインの書籍をボランティアが朗読する LibriVox を紹介していた投稿でも、移動や家事の合間に英語の音に慣れる方法として取り上げられていました。

両方が一致している条件

否定派と肯定派の記録を並べてみると、挙げている条件はほとんど重なっています。

  1. 内容の 6〜7 割がわかること。 意味の取れない音声は、いくら長時間流してもただの雑音にしかなりません。別の学習者も「6 割わかれば全体の流れはつかめる」と述べており、1 回目は聞き取れたキーワードを書き出し、2 回目で抜けていた部分を埋めるやり方を紹介していました。
  2. 無理なく続けられること。 「勉強になりそうか」よりも「自分が続きそうか」が優先されます。英語を浴びるように聞いていた人たちも、純粋に好きな番組だったからこそ何か月も続いていました。
  3. ときどき精聴で理解度を確かめること。 流しっぱなしで終わりにせず、字幕つきの素材を 1 つ選んでじっくり聞き、自分がどこまで正確に聞き取れているかを点検します。

聞き流しを「多聴」に変える方法

  • 短い音源を 2〜3 回繰り返す。 インドネシア語で書かれ、2,000 回以上保存された投稿では、A2〜B1 レベルの短いポッドキャストを 1 本あたり 2〜3 回聞き、知らなかった単語をメモしていく方法が紹介されていました。1 日 30〜45 分続けると、3〜4 か月で聞き取りに確かな変化が出るそうです。
  • 聞いたあとに短くまとめる。 聞いた内容を 3 つのポイントで書き出すだけでも、ただ音を流していた時間が、理解度を確かめる練習に変わります。
  • リーディングと組み合わせる。 同じ投稿では、Graded Readers や短めのニュース記事を、音声を流しながら目で追って読む方法もあわせて取り入れていました。
  • インプット量を数字で把握する。 ある学習者の計算によると、ポッドキャストを 1 時間聞くと約 1 万〜1.2 万語の英語に触れることになり、30 日続ければ 36 万語に達します。

聞き流しに向いている時間

体験談によく出てくるのは、通勤、シャワー、料理、皿洗いといった手や足だけを動かしている時間です。皿洗いの合間に聞く定番として、ある学習者は BBC 6 Minute English(1 本 6 分、スクリプトつき)、TED-Ed、EnglishClass101、Kurzgesagt、VOA Learning English(ゆっくり読まれるニュース)を挙げていました。いずれも短時間で一区切りつく番組ばかりです。

腰を据えて聞く練習の具体的な手順については、英語リスニングの勉強法で詳しく取り上げています。

Solaread でできること

Solaread のウェブアプリでは、手元の音声ファイルや動画を取り込んだり、ポッドキャストのエピソードを検索して聞いたりできます。音声に合わせて字幕が自動でスクロールし、気になる行を選べばその箇所からすぐに聞き直せるので、ひと通り流して聞いたあとに聞き取れなかった部分だけ戻って確認するのに向いています。知らない可能性が高い単語にはあらかじめ印が付き、マウスカーソルを合わせると意味が表示されます。タッチ画面の場合は単語をタップすると確認できます。覚えておきたい単語があれば、登場した文ごと一緒に単語帳へ保存しておけます。

よくある質問

英語の聞き流しに効果はありますか?

学習者の記録を見る限り、内容の 6〜7 割が理解できる素材であれば効果があり、意味がわからない音声をただ流しているだけでは効果は期待できません。

聞き流しにはどんな素材がいいですか?

自分が飽きずに聞ける番組で、1 回あたりが短くまとまっている BBC 6 Minute English や VOA Learning English などがよく選ばれています。

聞き流しと精聴はどう組み合わせればいいですか?

移動中や家事のあいだは気軽に流して聞き、定期的にスクリプトや字幕のある素材を集中して聞いて、どこまで正確に聞き取れているかを確かめるのが現実的です。