英単語の覚え方:続いた人とやめた人が書いていた、具体的な数字とやり方

せっかく英単語を覚えても、1 週間後にはほとんど抜けている。この悩みについて書いている人の意見を見ていると、大きく二つに分かれます。最初の数千語はどうしても単語帳やアプリで詰め込むしかないという人と、暗記自体をやめて読書や動画のなかで覚えるようにした人です。どちらの言い分にも納得できるところがあり、いちばん参考になるのは、その両方を実際に試した人の記録でした。

ここでは、学習者が SNS に残していた具体的なやり方を、出てきた数字はそのままにまとめて紹介します。

単語帳:1 日 100 語ずつ回して 6 周

日本の学習者のあいだでよく共有されていたやり方です。1 日目に 100 語、2 日目は前日の 100 語に新しい 100 語を足して 200 語、というふうに重ねながら回していきます。1 冊の単語帳を 6 周するのが目安で、1 つの英単語につき日本語の意味は 1 つだけに絞り、とにかくスピードを優先します。書いても読んでもかまいません。

同じような考え方は、中国の学習者による長文の投稿にもありました。毎日 50 語を 4 日間コツコツ続けるより、1 日で一気に 200 語に目を通すほうがずっと効率がいいという主張です。少ない語数を丁寧に覚えるのではなく、大量の単語に何度も触れるほうをとるやり方です。

紙で覚える:二つのやり方とその限界

紙を折る方法。 保存数がとても多かったある投稿では、アプリを一切使いません。紙を 3 回折って列を作り、最初の列に英単語を書きます。次の列には何も見ずに意味を書いて答え合わせをし、その次の列には意味だけを見て英単語を書いて答え合わせをする、という作業をくり返します。発音はあらかじめ聞いておきます。この投稿でいちばん「いいね」を集めていたコメントは、その日の単語を AI に渡して短い文章を作ってもらい、文脈のなかでもう一度覚え直すという工夫でした。意味がいくつもある単語はどうするのかという質問には、「全部、例文ごと覚える」という返事がついていました。

4 列に書く方法。 別の投稿者は、1 列目に声に出して読みながら単語を書き写し、2 列目は 1 列目を見て品詞と意味を書き、3 列目は 2 列目だけを見て英単語を思い出して書く、という手順で計 3 回くり返す方法を紹介していました。これで、以前は 10 分で 2 語しか覚えられなかったのが、20 分弱で 30 語ほど覚えられるようになったそうです。ただ、100 件以上の「いいね」がついたコメントのなかには、子どもに同じ方法を 4 回、計 3 時間やらせても 40 語すら覚えられなかったという声もありました。一方で 1 か月に 200 語以上覚えたという親御さんもいて、合う合わないはかなり分かれるようです。

アプリ:長く続けた人の数字

アプリを使った学習については、何百日も続けた人の記録がいちばん生々しくて具体的です。

  • 1,022 日連続、スペルは 7,000 語を超えてから。 ある学習者が公開していたアプリの画面では、SAT 向け単語帳 10,001 語のうち 8,880 語を学習済み、累計は 20,948 語で、その日は 100 分かけて 534 語をこなしていました。この人がすすめていたのは、最初はスペル入力をオフにしておき、頻出語の 1 つ目の意味さえわかれば合格として、100 語単位のまとまりで単語帳を何周も回すやり方です。5 周目や 6 周目に入って、毎日の単語学習が習慣になり気合がいらなくなってから、初めてスペル入力をオンにします。「わかる、覚える、使える」の順番で進めるという考え方です。
  • 414 日でやめた人。 朝の通勤電車の 10 分間から始めたものの、日が経つにつれて復習が雪だるま式に増え、10 分ではとても終わらなくなりました。新規の単語を 1 日 10 語まで減らしても、毎日 30 分近くかかっていたそうです。やめる決定打になったのは、アプリで覚えて復習まで終えたはずの単語が、実際の文章のなかで出てくるとやっぱり意味がわからなかったことでした。今はブラウザの対訳表示の拡張機能を使ってウェブ記事を読み、わからない単語はその場で調べ、よく出る語なら自然に残るだろうと割り切っています。
  • 299 日でやめた人。 試験用の単語リスト 5,563 語のうち 4,416 語まで進め、1 日の目標は新規 150 語、復習 300 語に置いていました。やめた理由は、うろ覚えで取り違えている単語が回数を重ねるほど頭の中で混ざっていったことと、本番形式の長文を読んだときに話の軸になる単語すらわからなかったことです。結局アプリはスパッとやめ、重要語だけを手書きで 1 回じっくり覚え直したそうです。コメント欄には、先にランダム順の単語帳をやり、あとからアルファベット順で覚え直すと、綴りが似た単語を区別しやすいというアドバイスも寄せられていました。

また、アプリ選びの注意点として、4 択などの選択式の問題を避けるよう書いている長文投稿もありました。消去法で正解できてしまうため、覚えた気になりやすいからです。英単語だけが表示され、意味がわかるかどうかを自分で判断するタイプのアプリのほうがいいとのことでした。

どれくらいの速さで増えるか

投稿に書かれていた数字をそのまま拾ってみます。

  • 8,700 語あまりから 10,000 語までにかかった時間は 40 時間弱。頻度順 20,000 語のリスト(COCA)を 8,600 語目まで進めていた人で、投稿した週の学習時間は 15 時間 10 分、内訳は復習が 220 分、新規が 690 分でした。
  • 約 5,000 語から 25,000 語までは数か月。そこまで増えると、以前はしっくりこなかった語根を使った暗記や、辞書を引きながらの読書が、急にうまく回るようになったそうです。その投稿にあった目安によると、8,000 語を超えたあたりから語根の知識が活きるようになり、20,000 語を超えると小説がすらすら読めるようになって、わざわざ単語を暗記する必要がほとんどなくなるとのことです。
  • 中国の SNS に書いていた日本語学習者は、Anki を使って正味 26 日分(624 時間)かけ、JLPT の N5 から N1 までの単語約 15,000 語を一通り終えて、8〜9 割は定着したと報告していました。最初は 1 日 30〜40 語、慣れてからは 60 語に増やし、多い日は 1 日 4、5 時間費やしたそうです。ただ、この人が周りに同じやり方をすすめたところ、時間がかかりすぎて全員途中で挫折してしまったといいます。

もう一つ、よく話題にのぼる壁があります。10,000 語と 20,000 語のあいだには大きな隔たりがある、という話です。毎月欠かさず語彙数テストを受けていたある人は、上級試験向けの単語帳を何周もやり込んだあと、何か月ものあいだ 16,000〜17,000 語のゾーンから抜け出せずにいました。

文脈で覚える:読んでいるうちに残る単語

単語の暗記をやめた人たちが語る経験には、共通する部分があります。毎日英語を読んだり聞いたりしていた人は、それまで 7、8 回見かけてもスルーしていた単語が、動画のなかでまた出てきた瞬間にふっと意味がつかめたと書いていました。別の投稿では、難しい単語でも 5 つの異なる文脈で出会えば頭に残るけれど、アプリや単語帳の画面だと 8 回から 10 回はくり返さないと定着しない、という話が紹介されていました。

暗記派と多読派のちょうど中間にあるのが、初めての英語の小説を 15 日かけて読み切った人のやり方です。読んでいる最中は知らない単語に線を引くだけで辞書は引かず、夜になってから、その日のうち覚える価値がありそうな単語を 5〜10 語だけ選んで、本に出てきた一文ごとノートに書き写します。それを翌日、3 日後、1 週間後、2 週間後に見直します。あくまで自分が本の中で実際に出会った単語だけを覚える、というルールです。

両方を組み合わせた進め方

今の語彙数 学習者がすすめていること
3,500 語くらいまで 頻出単語を単語帳やアプリで集中的に覚える。スペルは後回しにする
3,500 から 8,000 語 やさしめの本を読み、1 日 5〜10 語を出てきた文ごと保存する
8,000 から 10,000 語 小説やドラマ、ニュースへ広げる。このあたりから語根が役立ち始める
10,000 語以上 幅広く読み聞きする。ここから先の単語は出現頻度が低いので、たくさん触れないと出会えない

表にある 3,500 語という区切りは、414 日でアプリをやめた人の投稿についていたコメントからとったものです。よく使う基礎の 3,500 語だけは丸暗記が必要で、そこから先は読書を通じて増やしていくのがいいという意見でした。このラインを 6,000 語に置く人もいます。

Solaread でできること

Solaread は、本を読むことと単語を覚えることの間をつなぐツールです。洋書を開くと、あなたが知らなさそうな単語のすぐ後ろに、短い日本語訳が括弧つきで同じ行に表示されます。それ以外の単語もダブルクリックすれば意味を確認でき、「単語帳に追加」を選べば、その単語が出てきた一文ごと単語帳に保存されます。「知っている」とマークした単語には次から訳が出なくなるため、読み進めるにつれて自分のレベルに合った訳の量に落ち着いていきます。読むための本は、EPUB・TXT・PDF ファイルをご自身でご用意ください。

よくある質問

英単語は 1 日に何語覚えればいいですか?

学習者の記録を見ると 1 日 10 語から 150 語まで幅があり、単語帳を高速で回すやり方なら 1 日 100 語ずつという例もありますが、日々の復習がパンクしない量に抑えるのがいちばん大切です。

単語帳と読書、どちらで覚えるべきですか?

よく使われる最初の 3,500〜6,000 語までは単語帳やアプリで一気に覚え、それ以降は本を読みながら増やしていく人が多いです。

アプリで覚えた単語を文章で忘れるのはなぜですか?

アプリの画面で見た一対一の意味と、実際の文章のなかでの使われ方にズレがあることが多いためです。単語単体ではなく、出てきた文ごと保存して見直すようにすると思い出しやすくなります。